2014年9月24日水曜日

ブラックレイン

「ブラックレイン」

日本を舞台にしたアメリカのアクション映画。

内容はアメリカで殺人を犯したヤクザである佐藤を逮捕した刑事のニックが同僚チャーリーと共に日本に護送するも大阪空港で逃げられ、大阪府警の監視下の元、世話役になった松本刑事と佐藤に関する捜査の成り行きを見守るも、ある時佐藤にチャーリーが殺されてしまい…といったストーリー。

「エイリアン」や「ブレードランナー」のリドリー・スコットが撮った本作はまず映像面でまるで大阪が混沌の近未来都市のように思えるイメージで驚き!
初公開当時まだそんなに大阪に行った事がなくあまり実感がなかったが、大学以降大阪にはよく行く機会があり見慣れた阪急梅田などが全く異質な印象で映っているのが面白い。

映像としてこの映画内では特にチャーリーが佐藤に首を斬られて殺されるシーンで佐藤がバイクを走らせながら長ドスを出し、地面に刃を摩擦させる事で火花が散る映像は殺人系のホラー映画の名シーンにも匹敵する殺人シーンにもなったと思う。

人間ドラマ面としてはアメリカと日本の価値観の違いがありながらも育まれるニックと松本の友情なども見所といえるが、私は何より悪役“佐藤浩二”を演じた松田優作が強烈過ぎてその存在感に引き込まれてしまった。

ヤクザ・佐藤はまるでカミソリのように尖ったヘアスタイル、ゴーグルのようなサングラスにレザーを多用したファッション、乗るのは真っ黒なバイクといったヴィジュアル面イメージのインパクトも大きいが、役柄としては若山富三郎演じる大親分“菅井”のかっての子分でありながら菅井を裏切り対立状態にある設定。
佐藤は菅井の重んじるヤクザの仁義も忠義心も尊敬も無い男であり、さらに何の躊躇も無く殺人を行うサイコキラー的側面も持つという異様な面も衝撃的。
伝統的なヤクザである菅井に対して佐藤はルールを破壊するニューウェイヴなヤクザであり、このようなイデオロギーの違う「悪 vs 悪」という構図も好きな感じだったし、身の回りの事は全て子分にさせる菅井に対して配下はいながらも自らの手で殺人を行い、バイク操術や空手に似た武術仕様など単独でも戦闘能力が高い佐藤の姿は“悪役”としてまさに圧倒的な存在に見えた。

“佐藤浩二”は映画史に残る悪役といっても過言でないと思う。
この映画は佐藤=松田優作を観るだけでも十分価値があると思うので観てない方は是非観てほしい。



「ブラックレイン」
BLACK RAIN

1989年/アメリカ/125分

監督:    リドリー・スコット   
製作:    スタンリー・R・ジャッフェ   
            シェリー・ランシング   
製作総指揮:    クレイグ・ボロティン   
                      ジュリー・カーカム   
脚本:    クレイグ・ボロティン   
            ウォーレン・ルイス   
撮影:    ヤン・デ・ボン   
音楽:    ハンス・ジマー

出演:    マイケル・ダグラス   
            高倉健   
            アンディ・ガルシア   
            松田優作   
            ケイト・キャプショー   
            若山富三郎   
            内田裕也   
            國村隼   
            安岡力也   
            神山繁  
            小野みゆき   
            島木譲二   
            ガッツ石松

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