2014年10月8日水曜日

羊たちの沈黙

「羊たちの沈黙」

トマス・ハリスの原作を元にしたサイコスリラー映画。

内容は女性連続皮剥ぎ殺人事件の捜査に行き詰ったFBIは捜査のヒントを得る為、訓練生クラリスを獄中にいる元精神科医で連続殺人鬼であるレクター博士に面会させるが…という感じのストーリー。

この映画での注目は断然、物語の展開にとって重要な鍵を握る“ハンニバル・レクター博士”である。
この映画が登場するまでのホラー、サスペンス系の映画でも多くの殺人鬼が登場してきたが、このレクター博士はそういう殺人鬼キャラクターにおける1つの新たなスタイルを表わしたという意味でも大きい存在。
殺人鬼でありながらまるでミス・マープルのようにその場(レクターの場合獄中)にいながら情報だけで事件を推理する超頭脳的なキャラクター性と、逆に人を襲う時は(というか喰うのが凄い!)野獣のような残虐性を見せたり、この特異なキャラクター性は観ていてかなりの衝撃だった。
これは悪役としても当時1ジャンルを築く新しい形を作り上げたと思う。

劇中登場するもう1人の殺人鬼バッファロービルの描き方にしてもゲインやバンディなど実在の殺人鬼の行為をキャラクターの元にしたリアリティが恐怖描写に説得力を持ってるし、レクターに翻弄される美しき訓練生クラリスの姿、映像なりのサスペンスの盛り上げ方のうまさ、その映像イメージにピッタリなハワード・ショアの70年代後半B級サスペンスっぽいイメージの音楽など好きな部分もいっぱいな映画で、「サイコスリラー」というジャンルでは私的には未だこの映画を超える作品は出ていないと思える最高傑作である。



「羊たちの沈黙」
THE SILENCE OF THE LAMBS

1990年 アメリカ/118分

監督:    ジョナサン・デミ   
製作:    エドワード・サクソン   
            ケネス・ウット   
            ロン・ボズマン   
製作総指揮:    ゲイリー・ゲッツマン   
原作:    トマス・ハリス   
脚本:    テッド・タリー   
撮影:    タク・フジモト   
音楽:    ハワード・ショア

出演:    ジョディ・フォスター   
        アンソニー・ホプキンス   
            スコット・グレン   
            テッド・レヴィン

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