2014年10月29日水曜日

ガバリン

「ガバリン」
公開当時、腐った手が指差すポスターが印象的で観たかったが、劇場では観れず結局テレビ放映で観たホラー。

内容は子供が失踪してしまったホラー作家が叔母の形見の家に引越し、その家で奇怪な現象が次々に起こり…といった感じの話。

宣伝が「パズル・スリラー」というふれこみで観る前は映画にもっと仕掛けや謎解きの面白さ的なものを考えていたが、実際観てみると確かに家で現象が起こる理由や息子の行方など謎はあるが、そっちの印象より色々出てくるモンスターの方に目が行く。
ただ、このモンスターたちの造形がかなり面白く、ラスボスのビッグベン以外は宣伝部が勝手に付けたっぽい百面鬼アイトラム、頭蓋鳥ヘル、ピンクの魔女ダイエットデブリンなど愛嬌あるグロテスクなモンスターたちは非常に魅力的☆

特にダイエットデブリンの造形は素晴らしく劇中登場シーンも多少意味不明ながら凄い存在感だった。
最近のホラーのモンスターやクリーチャーはリアル志向な造形傾向のものが多いがこういうマンガチックな遊び心ある造形センスは楽しく、こういうモンスターたちが暴れるようなホラー映画が新たに作られるならまた観てみたい。

映画全体やストーリーとしては普通な感じだが、このモンスターたちを見るだけでもホラー好きには価値ある作品だと思う☆




「ガバリン」
HOUSE

1986年 アメリカ/93分

監督:    スティーヴ・マイナー   
製作:    ショーン・S・カニンガム   
原案:    フレッド・デッカー   
脚本:    イーサン・ワイリー   
撮影:    マック・アールバーグ   
音楽:    ハリー・マンフレディーニ

出演:    ウィリアム・カット   
            ジョージ・ウェント   
            リチャード・モール   
            ケイ・レンツ

2014年10月22日水曜日

デモンズ

「デモンズ」

「フライトナイト」きっかけで小学生当時ホラー映画にハマり、その後「バタリアン」など観に行ったりしたが、そんな中観たこの映画はあらゆる面で凄くショッキングな映画だった。

内容は奇妙な半仮面の男から試写状を貰った主人公が同じように招待された客たちとホラー映画の試写を観る中、上映前劇場内に飾ってあった仮面をふざけてかぶり顔に傷をつけた女が上映中の映画内の“仮面によって傷を負い悪魔と化す登場人物”と同じように悪魔に変化し劇場は悪魔化が伝染していく…という感じのストーリー。

ノストラダムスの終末予言を絡めていたり、実際映画を観ている観客も同じように恐怖を感じるような劇中劇シチュエーションなどちょっとヒネリはあるものの、この映画の魅力はそういうのを消し飛ばすような過剰で気持ち悪いデーモンたちの特殊メイクである。
口から緑や黄色の粘液を垂らし、血みどろの残虐シーンが展開!
この当時ここまでキツいヴィジュアル描写のホラー映画を観たのは初めてだったのでかなり印象に残った。

またこの映画ではアクセプトやモトリークルー、サクソンなどへヴィメタルバンドの曲も劇中多く使われており、ホラーシーンにかかるメタルは最高に恰好良く、私がメタルに興味を初めて持ったのもこの映画きっかけだったと思う。

この映画は今となっては特に好きな映画監督の1人であるダリオ・アルジェントのプロデュース作品なのだが、アルジェント関連の映画でよく音楽を担当しているゴブリンのメンバー、クラウディオ・シモネッティがテーマ曲を担当しており、このテーマ曲がまた凄く良い!
アルジェント関連の映画テーマでは私の中でベスト5に入るくらい好きな曲☆

後に「デモンズ」は6までシリーズが作られるものの、シチュエーションや映像、音楽など全てにおいてこの1作目が一番良かったと思う☆
ホラー映画好きなら観るべき1本!




「デモンズ」
DEMONS

1985年 イタリア/88分

監督:    ランベルト・バーヴァ   
製作:    ダリオ・アルジェント   
原案:    ダリオ・アルジェント   
            ダルダーノ・サケッティ   
脚本:    ダリオ・アルジェント   
            ランベルト・バーヴァ   
            フランコ・フェリーニ   
撮影:    ジャンロレンツォ・バッタリア   
特殊効果:    セルジオ・スティヴァレッティ   
音楽:    クラウディオ・シモネッティ

2014年10月15日水曜日

フライトナイト

「フライトナイト」

この映画は私が劇場で初めて観たホラー映画。
これがきっかけで本格的に「ホラー映画」に興味を持ったと思う。

内容は主人公の隣の家に吸血鬼が越してきた事から、かってヴァンパイアハンターを演じたホラーTV番組のホスト役の男に本当に吸血鬼退治を依頼し…という感じのストーリー。

今観るとコメディ要素の強いセクシーホラーという印象なのだが、小学生当時、これはかなり怖い映画に感じた。
何より上映前に買ってもらったパンフレット内見開きドアップで写っている女ヴァンパイアの写真が怖すぎて、クライマックスでいつこのシーンが出てきてしまうのかチラチラ目を手でふさいで観ていたほど。
また吸血鬼がコウモリや狼に変身したり、グロテスク系のヴィジュアルシーンも多く、(ヴァンパイアの描写としては棺桶を開けられたヴァンパイアが足を支柱に直角に起き上がるシーンなんかも凄くイイ!)ホラーらしいホラー映画としても好きな作品。
最近のヴァンパイア系ホラーはお洒落な感じにいき過ぎて、こういう変身やグロテスクシーンもないし、多少物足りない感があるが、ホラー映画としてのヴァンパイアは私的にはこのフライトナイトのようであってほしい☆





「フライトナイト」
FRIGHT NIGHT

1985年 アメリカ/107分

監督:    トム・ホランド   
製作:    ハーブ・ジャッフェ   
脚本:    トム・ホランド   
撮影:    ジャン・キーサー   
特撮:    リチャード・エドランド   
音楽:    ブラッド・フィーデル

出演:    クリス・サランドン   
            ウィリアム・ラグズデール   
            ロディ・マクドウォール   
            アマンダ・ビアース

2014年10月8日水曜日

羊たちの沈黙

「羊たちの沈黙」

トマス・ハリスの原作を元にしたサイコスリラー映画。

内容は女性連続皮剥ぎ殺人事件の捜査に行き詰ったFBIは捜査のヒントを得る為、訓練生クラリスを獄中にいる元精神科医で連続殺人鬼であるレクター博士に面会させるが…という感じのストーリー。

この映画での注目は断然、物語の展開にとって重要な鍵を握る“ハンニバル・レクター博士”である。
この映画が登場するまでのホラー、サスペンス系の映画でも多くの殺人鬼が登場してきたが、このレクター博士はそういう殺人鬼キャラクターにおける1つの新たなスタイルを表わしたという意味でも大きい存在。
殺人鬼でありながらまるでミス・マープルのようにその場(レクターの場合獄中)にいながら情報だけで事件を推理する超頭脳的なキャラクター性と、逆に人を襲う時は(というか喰うのが凄い!)野獣のような残虐性を見せたり、この特異なキャラクター性は観ていてかなりの衝撃だった。
これは悪役としても当時1ジャンルを築く新しい形を作り上げたと思う。

劇中登場するもう1人の殺人鬼バッファロービルの描き方にしてもゲインやバンディなど実在の殺人鬼の行為をキャラクターの元にしたリアリティが恐怖描写に説得力を持ってるし、レクターに翻弄される美しき訓練生クラリスの姿、映像なりのサスペンスの盛り上げ方のうまさ、その映像イメージにピッタリなハワード・ショアの70年代後半B級サスペンスっぽいイメージの音楽など好きな部分もいっぱいな映画で、「サイコスリラー」というジャンルでは私的には未だこの映画を超える作品は出ていないと思える最高傑作である。



「羊たちの沈黙」
THE SILENCE OF THE LAMBS

1990年 アメリカ/118分

監督:    ジョナサン・デミ   
製作:    エドワード・サクソン   
            ケネス・ウット   
            ロン・ボズマン   
製作総指揮:    ゲイリー・ゲッツマン   
原作:    トマス・ハリス   
脚本:    テッド・タリー   
撮影:    タク・フジモト   
音楽:    ハワード・ショア

出演:    ジョディ・フォスター   
        アンソニー・ホプキンス   
            スコット・グレン   
            テッド・レヴィン

2014年10月1日水曜日

ハイランダー 悪魔の戦士

「ハイランダー 悪魔の戦士」

1986年当時小学生の頃、家族で映画に行く事になり、この映画か「ポルターガイスト2」のどっちを行くかというので当時ホラーにハマっていた上、「エイリアン2」を観て元々のエイリアンのデザインをしたH.R.ギーガーにも夢中だったので迷わず「ポルターガイスト2」を行ったのだが、その後レンタルビデオで初めて観て「こっちの方が面白かったのでは…」という思い出のある映画。

内容は首を斬り落とさない限り死なない不死の連中が最後の1人になった時に得られるという未知の秘宝を求め太古から戦い続けているという設定のもと、中世での主人公コナーと師匠ラミレスとの交流、そして数々の時代を経て強敵クルガンとの最後の決戦が現代で行われる…という感じ。

この映画での私的な注目は何といってもクランシー・ブラウンが演じた悪役“ヴィクター・クルガン”である。
中世シーンでは何だかわからないが凶暴そうな動物の骨を使った鎧を身に付け圧倒的な強さを展開するし、現代では何と、いかにもというか鋲付皮ジャンにスキンヘッド、昔斬られそうになった首の傷にはピンでつなぐというまさに「へヴィメタル」なファッションで登場するし、キャラクターとしても豪腕で残忍という悪役らしい悪役といったわかりやすさが心地良い。
さらに劇中歌を世界的ロックバンド「クィーン」が歌っているのだが、オープニングの「Princes of The Universe」の格好良さもさる事ながら、この悪役クルガンのテーマ曲として作られた「Gimme The Prize」がとてもイイ☆
本来メタルではないクィーンがメタルをやった場合どうなるかという感じなのだが、メタルの音が持つ独特な特徴など押さえるべきサウンドの作りをみんな押さえた感じにフレディ・マーキュリーのハイトーンスクリーミングはまさにピッタリで本当にこれは名曲だと思う。

映画的にはラッセル・マルケイ監督ならではの映像センスなど多少ヴィジュアルに偏る感じもありながらも、洋画ながら刀を使ったアクションシーンの見所や前述のように悪役好きやメタル好きなら気に入って貰える作品としてオススメしたい。



「ハイランダー 悪魔の戦士」
HIGHLANDER

1986年 イギリス/117分

監督:    ラッセル・マルケイ   
製作:    ピーター・S・デイヴィス   
            ウィリアム・N・パンザー   
原作:    グレゴリー・ワイデン   
脚本:    グレゴリー・ワイデン   
            ピーター・ベルウッド   
            ラリー・ファーガソン   
撮影:    ジェリー・フィッシャー   
音楽:    マイケル・ケイメン   
            クイーン

出演:    クリストファー・ランバート   
            ショーン・コネリー   
            クランシー・ブラウン   
            ロクサーヌ・ハート